“みどりのせんそうほうき” オスロへ!
2024年10月11日、日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞しました。それに伴い、12月10日オスロで授賞式が行われます。ナガサキピースミュージアムは、一般財団法人長崎原爆被災者協議会へ”みどりのせんそうほうき”現地への持参をお願いし、英語版・スペイン語版各100個ずつ寄託しました。
ナガサキピースミュージアムとその運営母体であるNPOナガサキピーススフィア貝の火運動では“みどりのせんそうほうき”を平和情報発信の1つとして配布しています。
1990年湾岸戦争で自衛隊派遣問題が議論された際、東京都の女性が考案したミニチュアのアクセサリーです。
“戦争という名の人殺しと環境破壊は絶対に許されない!” 日本国憲法の“戦争放棄”と身の回りを綺麗にする“箒(ほうき)”のダジャレで市民誰でもできる平和活動として取り組んでいます。
12月6日、読売新聞にて”みどりのせんそうほうき”を取り上げていただきました。全文をご紹介します。
『「戦争放棄」の思いが込められた飾り「みどりのせんそうほうき」が、10日に日本原水爆被害者団体協議会(被団協)のノーベル平和賞の授賞式が開かれるノルウェー・オスロに届けられることになった。
「みどりのせんそうほうき」は日本国憲法が掲げる「戦争放棄」と床を掃く「ほうき」を掛けた約4センチのアクセサリー。穂先に見立てた毛糸の束に、フェルトを巻いて作られる。
考案したのは東京都小平市の入江篤子さん(72)。きっかけは1991年の湾岸戦争。自衛隊派遣に対して「反意を声に出す勇気がなかった」が、代わりにひっそりと胸元に飾りを付け始めた。当時、反応を示してくれた友人らに100個以上作って配ったという。
2003年、NPO法人「ナガサキピーススフィア貝の火運動」(長崎市)でボランティアをしていた友人が、自作した「せんそうほうき」を同法人が運営するナガサキピースミュージアム(同市)に持ち込み、さらに広まった。学校の平和学習で用いられたり、外国語の説明付きで国際観光船の客に配布されたりしている。
同法人の増川雅一理事(83)は「平和への思いが人から人へ伝わった、小さくて大きな平和活動だと思う」と話した。
17年に核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)がノーベル平和賞を受賞した際にも現地に届けられた。入江さんは「世界に広がってうれしい。『せんそうほうき』を通じて平和を願う人が増えてほしい」と期待する。
今回オスロに届けられる計200個には、作り方や意味が英語やスペイン語で書かれた紙と折り鶴が同封されている。同法人の会員やボランティアらが製作し、長崎原爆被災者協議会(被災協)に寄託した。授賞式に出席する被災協副会長の横山照子さん(83)は「被爆者の気持ちもつまっている。受賞後のパレードや学校訪問の際に配りたい」と話している。 (西山怜花) 』
読売新聞(令和6年12月7日)